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Channel: Rafu Shimpo
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JSPACC「Kids on Stage」:子どもたちが才能披露

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 障害児を育てる親の日本語支援グループ「手をつなぐ親の会」(JSPACC、池内和世会長、会員約200人)は5月31日、恒例の「キッズ・オン・ステージ」をハモサビーチにあるホープチャペルで催した。  「キッズ・オン・ステージ」とは、音楽療法士の土井美春さんが「すべての子どもたちにスターになれる発表の場を」と、障害のある子どもたちを対象に2003年に始めたタレントショー。土井さんが05年に日本へ帰国後は、行動療法士の幾度麻紀さんが引き継ぎ、現在はJSPACCが主催している。今年で7回目となる同イベントは、障害児およびシブリングたちにとって、人前で才能を発表できる貴重な体験となっている。  司会は、障害児をきょうだいに持つシブリング会のタイ・ウィッシングさんと尾崎理子さんの2人が日英両語で務め、太鼓やウクレレ、ピアノの演奏をはじめ、歌、ダンス、空手、スピーチなど、障害児およびシブリングたち、またモンテソッリー国際学園の子どもたちなど一般参加も含め50人以上がステージ上でそれぞれの才能を発揮した。  会場に集まった人たちは、子どもたちの溢れんばかりのパワー、笑顔、そして秀でた才能に感銘を受け、一方、子どもたちは、日ごろの練習の成果を思う存分発揮し、自信に満ちた表情でそれぞれステージを降りていった。  中でも、手話を使いながら大きな声で「翼をください」を披露した柴原大輔くんの姿には、多くが心を動かされた。大輔くんは、生後1カ月で重度感音性難聴と診断され、補聴器をつけても母音しか聞き取れなかったため、絵や写真、手話を使いながらコミュニケーションを図ってきた。4歳の時に左耳に人工内耳の手術をしたが、現在も会話を聞き取ることは難しい。  今年初めて参加したキッズ・オン・ステージでは、伴奏も聞こえないため、ステージ下に座る母親の由紀子さんの指揮と口の形を見ながらリズムをとり、素晴らしい歌と手話を披露した。  日本在住時は、難聴児を持つ親の会に属していたが、さまざまな障害のある子と出会えるJSPACCは珍しいと由紀子さんは言う。同会の活動を通じ、大輔くんに友だちが増え、「本人の視野が広がっている」と感じている。  池内会長は、「障害のある子どもたちにもたくさんの才能がある。しかし、それを人前で発表できる場がないのが現実」といい、「障害のレベルによっては、ステージに立っているだけでもチャレンジな子もいる中、各自が少しでもできることを人前で発表することで、本人にとって大きな自信につながる。また親にとっても、子どもの新たな一面を発見できる貴重な経験」と、同イベントの意義を述べた。また、今後は家族や関係者だけでなく、より多くの一般の人にも見てもらい、障害についての正しい知識を持ってもらい、障害者の可能性について知ってもらいたいと話した。  JSPACCの活動内容および詳細に関してはウェブサイトを参照。アドレスは―  www.jspacc.org/ 【中村良子、写真も】

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