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Channel: Rafu Shimpo
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日米親善試合:福島の野球少年が訪米

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     東日本大震災の被災地、福島県の中学1、2年の野球少年15人が8月30日から1日までの3日間、コンプトンのアーバンユース・ベースボールアカデミーで当地の野球チームと親善試合を行った。計5チームが熱い接戦を繰り広げ結果は4位となったが、異文化に触れ、他チームの子どもたちとの交流を通して、生涯忘れられない貴重な夏の思い出を作った。  親善試合は東日本大震災の復興を願い、ロサンゼルス在住の日本人が中心となってボランティア活動を行うNPO「PLAY FOR JAPAN(吉野光昭代表)」が主催。大会は今年で3回目を迎え、被災地の子どもたちが訪米するのは昨年の宮城県に次いで今回が2回目となった。少年たちの渡航費や大会運営費などはロサンゼルスや日本のレストランや企業からの寄付金で運営されている。  今年はいわきリトルリーグから11人、いわきリトルシニアリーグから4人が参加。LA滞在中、子どもたちはボランティアの自宅にホームステイをしながら、サンタモニカやハリウッドなどを市内観光し、カリフォルニアの青空を満喫しながら当地の人々の暮らしを体験した。  8月27日から現地入りしていた一行は同日、ロサンゼルス・ドジャー球場を訪れ、シカゴ・カブス戦を観戦。試合前には憧れのメジャーリーガーたちの練習風景を一心に見つめる少年たちの姿があった。その熱い視線に気付いたのか、メジャーリーガーの中には少年たちの元へ駆け寄り、ボールにサインし激励する選手もおり、少年たちは思わぬプレゼントに大喜びだった。  現在のいわき市は港の一部を除き、徐々にもとの生活に戻りつつあるという。震災後1年はグラウンドにもがれきがあり、毎日その横で練習をしていたと少年たちは振り返る。  「苦労したことや嬉しかった思い出は決して忘れない」。自らも野球少年だった吉野代表は米国での親善野球が今後少年たちの心の糧となり、夢や希望が広がるきっかけになると信じている。  「米国から支援してくれた人たちに元気な姿を見せたい」。いわきリトルリーグの佐藤孝男監督は、4位という結果に終わったが子どもたちにとってはいい収穫にはなったと確信した様子。  激励にやってきた元大リーグ投手の長谷川滋利さん(エンゼルスとマリナーズ)は、「勝ち負け関係なく、この機会に他チームの選手とコミュニケーションをとることが大切」とアドバイス。  オリックス、マリナーズでチームメイトだったイチロー選手を例にあげ、同氏が毎日2、3時間のバッティング練習を欠かさずに続けていたエピソードを披露。「いい野球選手になりたかったらいつも壁に向かって打つ練習をすること。これだったらいつでもどこでもできる」と語り、不断の努力こそが最も重要であると力説した。  主将の馬目郁也投手、副主将の丹野裕隆投手、小松響内野手は、「対戦チームは背が高くパワーもあったが、初戦からみんな一生懸命打っていて集中できていた」と振り返り、仲間の健闘をたたえた。  試合後は他チームの選手と記念撮影に納まり、メールアドレスも交換するなど、選手たちの友情は国境を越えて続いていく。  将来の夢は「メジャーリーガー」と声を揃えた少年たちは、これからも逆境をはねのけ自らの夢に向かって突き進んでいく。【吉田純子、写真も】

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