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Channel: Rafu Shimpo
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JANM :アジア系の近代芸術を展示

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     全米日系人博物館(JANM)で「アジア系アメリカ人アーティストたちの出会いの肖像画」と題した近代芸術作品展が、11日から9月22日まで開催されている。7人のアジア系アーティストたちが創りだすアイデンティティーの多様性を現代風に表現した作品の数々を鑑賞することができる。  同展示はワシントンDCに本部を置く学術研究機関スミソニアン協会の国立肖像画美術館とスミソニアン・アジア・パシフィック・アメリカン・プログラムの共同企画。  一般公開を控えた9日、スミソニアン協会の代表者と出展アーティストのヘ・ヨン・ナムさん、シズ・サルダマンドさん、シジョーさんの3人が同館を訪れ、作品が創られた経緯や作品に込めた思いなどを関係者らに解説。独自の世界観を披露した。  アジア系人口の増加とともに、米国で活躍するアーティストもアジア系は増え続けている。今回の展示では日本や韓国などアジアの血を受け継ぐアーティストに特化。それぞれが感じた文化の違いや自身のアイデンティティーなどが作品に反映され、その型破りな作品の数々は、新たな近代芸術の形を表現しているともいえる。  スミソニアン協会・国立肖像画美術館のキム・セイエット館長は「日系人にとどまらずアジア系に関する展示を幅広く行うJANMでこれらのアーティストの作品を展示できてうれしい。アジア系アーティストの素晴らしい才能を今後さらに発掘していきたい」と力を込めた。  同館のグレッグ・キムラ館長は、「JANMはアジア系アーティストの作品を西海岸全域に発信する絶好の場所。普段LACMAやゲティ美術館に行く人にも足を延ばしてもらえる展示だと思う。アジア系アーティストが創りだすモダンアートの世界を楽しんでほしいと」語った。  アーティストのナムさんは、文化の違いからくる葛藤を描いたビデオを作製。9年前に韓国から留学生として渡米した自身の経験を元に、歩く、食べる、飲む、座るといった日常の動作を使って、自身が米国で感じた文化の違いと、それにもがく姿を表現。「はじめ違和感を覚え難しいと感じる動作でも、時が経つにつれて少しずつ慣れていくもの。文化の違いも同じだということを作品を通して伝えたかった」と話す。  アーティストのひとりでメキシカンの血も引く日系3世のシズ・サルダマンドさんは、ウエストLA在住の祖母、石橋しずえさん(98歳)とともに姿を見せた。石橋さんは戦時中、アーカンソー州の日系人戦時転住所に入所しており、当時の所持品の琴が同館に展示されている。「祖母が当時大切にしていた琴と自分の作品が同じ場所に展示されることになってうれしい。運命のようなものを感じる」と感慨深げに語った。【吉田純子、写真も】

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