深刻な水不足に直面するカリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は19日、緊急干ばつ対策費として約10億ドルを投じて、安全な飲み水の確保や水の再利用などを行う提案を発表した。 改善の兆しが見えない加州の干ばつ被害は今年で4年目に突入。今週の調査では、93%以上の地域が水不足に直面していることが分かった。加州の水源の約3分の1を賄っているシエラネバダ山脈に積もった雪の水分含有量は過去最低レベルにまで落ち込み、各地の川と貯水池の水位も下がっている。今後、暑さが増すにつれて状況はさらに悪化し、冬の雨季に雨や雪が降らなかった場合の最悪の事態が予測される。 同提案が承認されると10億ドルのうち1億2800万ドルは、深刻な水不足に直面するコミュニティーや、水不足から運営が困難になり失業者が増加したセントラルバレーの農業の救済、山火事を引き起こす極度の乾燥の解消策に充てられる。セントラルバレーでは農業従事者の失業率が14%に達している。 また2億7200万ドルは安全な飲み水の確保と水の再利用に、6億6千万ドルは洪水被害対策にそれぞれ充てられるという。 17日には加州水資源関連当局が、昨年7月に承認され現在実施されている加州の節水規制を今後さらに延長すると決定し、今後も継続して行われることになった。 これまで加州各地では歩道への水まきが禁止されたほか、都市の各水道局に対し、日中に屋外で水を使用できる日数を制限するなど規制されてきた。 レストランなど飲食店で無料で提供されていた飲み水は今後、客が頼まない限り提供されなくなる。またホテルやモーテルなどでは、ベッドシーツや洗面所のタオルなどを洗濯する際に大量の水が使われることから、宿泊施設には宿泊客にはタオルなどの再利用を促すなど、環境に配慮した取り組みをするよう求められる。 加州ではこれまでに干ばつ被害を解消するため8億7千万ドルの補助金が出ており、干ばつ被害を受けた自治体の、緊急時の飲み水の供給などに充てられている。 米航空宇宙局(NASA)は「加州の水源にはあと1年分の水しか残されていない」と警告している。
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