南加の県人会で最古の歴史を誇り昨年、創立115周年記念式典を開いて盛大に祝った南加鹿児島県人会は7日夜、ガーデナの中華料理店で2015年度総会と新年親睦会を催した。会長に頴娃(えい)町(現南九州市)出身の小田和男さんが新任され「故郷との交流」に意欲を示した。参加者96人が新会長と新役員の門出を祝い、親睦を深めた。 県人会初の女性会長として3年間の大任を終えた西元美代子さんが勇退し、後任人事が思うようにいかず、小田さんに頼み込んで「難産の末」、ようやく決定した。頴娃町出身の会員は多く在籍するが、タック西顧問によると、同町からの会長選出は23年ぶりだという。小田さんは、南加庭園業連盟の会長も経験しており、リーダーシップの発揮に期待が寄せられる。 小田新会長が、就任のあいさつに立った。大役について「私も鹿児島の人間なので、みなさんから選ばれた以上、頑張って会長職を全うしたい」と抱負を述べ、期待を込めた大きな拍手を浴びた。県人会の意義を「会員間の親睦を深めながら日系社会に貢献するとともに、故郷の鹿児島との交流がなければ、県人会は色褪せてしまう」と強調。交流について説明し、奨学制度を運営する鹿児島ファンデーションと協力した高校、大学生の鹿児島への派遣を継続しながら、お茶や焼酎など、日本屈指の生産を誇る物産品の紹介に努める意志を示した。歴代会長からアドバイスを仰ぎ、業績を手本にしたいとし「今は、右も左も分からないが、よろしくお願いします」と支援を求めた。 鹿児島出身で日系担当の新村出領事が祝辞を述べ、故郷の桜島にふれ「県人会も桜島のように活発に活動してもらいたい」とエールを送った。ピクニックへの寄付者の多さを知り、サポート体制が整っているとし「強大な県人会であることが分かる」とたたえた。 余興は、県人会の諸行事や県人会協議会の親睦演芸会で歌うカルカンコーラスのメンバーが元気よく合唱し、のど自慢の来賓と会員は、ソロとデュエットで熱唱。ドアプライズの抽選会も盛り上がり親睦を深めた。 年間を通して活動する鹿児島県人会は、新年会を皮切りに、青壮年部とヘリテージクラブの若い層が主導し、ピクニックやバレーボール、ゴルフ大会などで親睦を深めている。【永田潤、写真も】
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