茶道裏千家淡交会ロサンゼルス協会(金井紀年会長、上杉宗裕幹事長)は11日、新年を祝い茶を振る舞う「初点式」を小東京のダブルツリー・ヒルトンで催した。会場には、新春らしい色合いの着物に身を包んだ女性や袴姿の男性が集まる中、沼野宗美社中が薄茶を点てて日系社会の招待客らをもてなした。 初点式は、山下宗裕さんの解説のもと、中島宗香さんが亭主を、若梅都子さんが半東を、平田桂子さんが外半東を務めた。床の間には坐忘斎家元筆による「老松千年色」が掛けられ、青竹一重切の花入れに結び柳と季節の花、ツバキが生けられた。 茶席はステージ下正面に用意され、正客に堀之内サビーン総領事夫人、次客に南加日系商工会議所のグレース・柴さん、三客に淡交会オレンジ郡協会の半田俊夫会長、詰に今日庵参事ロサンゼルス協会の松本宗静特別相談役が着席し、地元三河屋製の主菓子、常盤木が振る舞われた後、新年の一服を堪能した。 あいさつに立った金井会長は、2011年から4年間にわたり幹事長を務めた笠井宗京さんに礼を述べるとともに、今年新たに就任した上杉さんに期待の声を寄せた。また会長は、世界平和には文化が大きく役立つとし、「長い歴史のある茶道をたしなむ皆さんは、そういった大きな目的をもった文化を学んでいる身として、誇りを持って習得に努めてほしい」と言葉を送った。 正客を務めた堀之内夫人は、日本と北京で計5年ほど裏千家茶道を習っていた経験があるといい、「ロサンゼルスでもお初釜に参加できるのは大変嬉しい」と話した。 食後には、64年間にわたり米国で茶道の指導および普及に尽力する今日庵参事ロサンゼルス協会の松本さんが集まった人々に謝辞を述べるとともに、会員に対し、「何事においても感謝の心と謙遜の心を忘れずに」と諭し、2015年の初点式を閉会した。 【中村良子、写真も】
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