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Channel: Rafu Shimpo
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山野氏がUSCで講演:美容術で高齢者の生活向上

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 日本で美容芸術短大と美容、医療の両専門学校、日本語学校を運営する学校法人「山野学苑」の理事長の山野正義氏がこのほど、USC(南カリフォルニア大)のジェロントロジー(加齢学)・デイビス学舎で4日間にわたり開かれたシンポジウムに招かれ講演を行った。山野の専門のコスメトロジー(美容術)とUSCのジェロントロジーのコラボレーションが、男女高齢者の生活の向上につながることを強調した。  ジェントロジーは、医学、生物学、心理学、社会学などの面から老年期の諸問題を総合的に研究する学問。40年の歴史を持つ同学舎は、全米で唯一のジェントロジー専門の教育機関である。シンポジウムは、USCが提携する環太平洋のアジア諸国の大学で加齢学を研究する教授や学者が集まり、アジアで加速する人口の高齢化に対する問題や、その研究の結果を発表した。日本からは山野氏と、東大と早大から4人の教授が講演した。  登壇した山野氏は、髪、顔、装いに加え、健康美、精神美など内面から発する美しさを重んじる山野の理念「美道」を力説。「『私は美しい』『美しくなる』と美意識を高めて美しくなった自分は、自分だけが見るのではなく、他の人に見てもらい誉められれば、身も心も美しくなり健康にもつながる」と語り、美容と健康美の相関について説明した。美容は、若者から高齢者まで、すべての年齢層の人に必要であることを強調し、その担い手である美容師の育成と美容の研究の重要性を説いた。「美容の第一線にいて、確信できることは、美容に気を遣い、美しくなれば、いつまでも幸せな生活を送ることができる」と力を込め、約20分間の講演を締めた。  同学舎部長のピンチャス・コーエン氏は、山野氏の講演について「日本の美容術について、とても分かりやすく説明してくれた」と話した。同氏は山野学苑を昨年と一昨年の2度訪問し「すばらしい美容学校だった。とても精力的に学ぶ生徒が、輝いて見え、私の話したジェントロジーという学問に興味を持ち、熱心に聴いてくれた」と振り返った。講演の内容は、加齢学について統計で説明し、同分野の新しい方向性について語ったという。加齢学と美容術の関係について「どちらも重要な学問であり、協力することでお互いが重要な栄養剤になる。われわれのパートナーシップがいつかは実を結び、高齢者の適切な生活の役に立ち、喜んでもらえる日が来ると思う」と話した。  山野氏は加齢学に美容術を紹介し、両者の学際的研究に相乗効果が期待できることから昨年、同学舎から学部長賞を受賞した。山野氏は、USCとの提携継続に意欲を示し「処方薬に頼らず、美容の持つ力で健康美を作り出し、美容界から『クオリティーオブライフ』を発信したい」と抱負を述べた。【永田潤、写真も】

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