JETRO(日本貿易振興機構)ロサンゼルス事務所は、日本食を米国のバイヤーなどに売り込むことを目的に、「日本食品マーケティング拠点」をカルバーシティー市の料理学校「New School of Cooking」に設置した。米国にも拠点を置く日本の食品関連企業や当地の料理関連会社の関係者らが集まる中、先月13日にはそのオープニングイベントが行われ、事業説明や日本産食品の紹介、またそれらの食材を使った米国人シェフによる調理実演も行われ、日本の食品の米国家庭での応用の仕方などを紹介した。[吉田純子、写真も] 健康志向が高まる米国では、ヘルシーなイメージがある日本食は近年さらに注目を集めているという。米国は日本からの食品輸出額も第2位の相手国で、JETROはこれまでにも大型食品見本市でジャパンパビリオン設置事業を行い、日本産食品の米国への輸出拡大に取り組んできた。今回はさらに継続した展示PRや商談ができるよう、調理教育施設を一定期間借り上げ、日本の食品のPRのほか営業、商談の場として活用できるようにした。 3月までに5回、同調理学校で日本の食品を使った調理演習が行われる予定となっており、公募で選ばれた出品企業の食材を使った調理方法や新しい食べ方を紹介し、バイヤーには後日その時使った食品をサンプルとして渡し使ってもらうなどの営業活動も行う。JETROでは営業の部分も側面支援していく。 出品企業は日本に本社があり、一部の商品が米国に流通している企業に限定。すでに米国市場に挑戦し、今後さらに流通範囲を広げていきたい企業が選ばれている。 調理実演で使う食材はすべて出品企業の商品。同学校の講師が出品企業の日本の食材を使ったアイデア料理を紹介する。今回はキャロル・トンプソン講師が教壇に立ち、和の風味をきかせたきんかさばのグリルのにぎりと、牡蠣のフライバーガーを紹介した。使用した食材はタマノイ酢の「すしのこ」、かめやフードの「わさびペースト」、インターナショナルマリーンプロダクトの牡蠣などが使用され、共同貿易が焼酎を紹介、最後には柿のデザートも振る舞われ、和と洋が組み合わさったメニューとなった。参加者からは使用した食材の使い方などの質問があり、トンプソン講師がその都度説明していた。 「日本人が作る典型的な日本食のメニューでなくても一般の米国人にも日本食は気軽に調理できるという認識を広めていきたい」とJETROの同プロジェクト担当者は語る。 JETROではこれまでにも在米日本食推進協議会を立ち上げ、米国に拠点を持つ日系商社や小売業者、レストラン関係者が集まり、最近の輸出動向や改善点などをヒヤリングし報告書にまとめるなどの活動をしてきた。これからは日本人だけでなく、さらに米国人にも日本の食品を知ってもらい家庭でも取り入れてもらいたいと意気込む。 次回の調理実演は1月15日に行われる予定。さらに詳しい情報はホームページで。 www.japanfoodshowcase.com
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