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Channel: Rafu Shimpo
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ハリウッドで日本映画祭

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 日本映画に特化した「The LA EigaFest」が12日からの3日間、ハリウッドで開催され、最新作をはじめ話題の長・短編を合わせた11作品が公開された。初日に開かれた開会式では、実写版「ルパン三世」が上映され、峰不二子役の女優黒木メイサさんや他の作品の監督、出演者が華やかな衣装を身にまとってレッドカーペットに登場し、イベントに花を添えた。  ルパン三世の黒木さん、北村龍平監督、プロデューサーの山本又一朗さんの3人は、無数のフラッシュを浴びながらレッドカーペットを歩いた。上映後の舞台あいさつでは、熱狂的なファンからの質疑に応じた。最大の関心事のシリーズ化について、北村監督が「パート2、パート3の準備を進めている」と発表すると、会場から歓声が沸き起こった。上映前には、記者会見に臨み、個別インタビューにも応えた。  実写版ルパン三世は、世界23カ国に配給され、日本人と韓国、台湾、タイの各国の人気俳優、女優を起用し、国際色豊かな配役。他国に先駆け公開された日本では、先月末の公開初日から10日間で観客動員89万人、興行収入11億円を記録する大ヒット作である。  プロデューサーの山本さんは、ルパンについて「日本のみならず、欧米で人気の漫画、アニメである」と強調。カーチェイスや銃撃戦のアクションなどは、CGを駆使したとし「映像の表現力がとても豊かだ」と紹介した。アジア各国のアーティストとのコラボレーションの成功を誇るが、日本政府が近隣諸国と領有権で揉めていることを憂い「映画では仲のよさを見せたかった。それができてうれしい」と胸を張り、2作目以降もアジアとの協同制作の意向を示した。  北村監督は、実写化にあたり「映画としてのプライドを持って、アニメのモノマネをする気はまったくなかった」と言い切る。「メインの5人のキャラクターをいかに輝かせるか」に気を配り、「衣装はコスプレにならないようにした」という。アニメと差を持たせ「単なるコメディーで終わらせることはしなかった。工夫を重ね、いいさじ加減でできた」と説いた。会見では、映画作りについて持論を述べ「規模の大小にかかわらず、常にチャレンジし続けることで、文化の集大成」と表現し、ルパンでは「アジアとのチームワークがよく機能した」と、自信に満ちた表情で話した。  黒木さんは質疑応答で、撮影時の逸話を紹介し会場を沸かせた。男性相手のアクションシーンでは、つい力んでしまい、監督から「もっとセクシーに演じるように」などと指示され「かわいらしさ」を心がけたという。「峰不二子という男性にも女性にも人気のある役なので、演じることができて光栄だった。大きなチャレンジで、プレッシャーを感じながら全力で挑むことができた」と喜んだ。「いろんな国の人と撮影ができて、とてもいい経験になった。いい作品に巡り会うことができ、自分の女優人生にとって転機になると思う」と述べ、次回作出演に意欲を示した。  同映画祭は、「ジャパン・フィルム・ソサエティー」(三石勇人会長)が毎年主催し今年で4回目。作品上映を軸に、日米の映画業界内で新たな才能を発掘するための機会を創出するとともに、日米映画業界間の有益なビジネス交流を深めるのに寄与している。三石会長は、映画祭開催の3つの目的①日本映画の紹介②ハリウッド進出を志す日本人制作者の支援③日本とハリウッドの交流促進のための橋渡し役―を説明した。  映画祭は、JETRO(日本貿易振興機構)が後援した。同ロサンゼルス事務所の吉村佐知子所長は、日本政府の方針として、日本のエンターテインメントのコンテンツなど優れた作品の世界向けのプロモーションと、日本の映画制作者がハリウッドのクリエイターと合作して秀作を創り出すための支援について説明した。JETROはまた同時期に、日本のコンテンツの世界普及に貢献した俳優や制作者、制作会社をたたえ、「ジャパン・クールコンテンツ貢献賞」の授賞式を主催した。今年は、日本の小説が原作のハリウッド映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」に主演した俳優トム・クルーズさんや監督のダグ・ライマンさん、ハリウッド版「ゴジラ」を制作した「レジェンダリー・ピクチャーズ」社が受賞した。授賞式を13日夜、総領事公邸で催した。【永田潤、写真も】

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