南加神奈川県人会(フランク・川瀬会長)は13日、恒例のサマーピクニックをトーレンスのウィルソン公園で催した。日本人や日系人をはじめ、非日系ら子どもから大人まで4世代約150人が集まり、1908年から続く同会の伝統「大家族ピクニック」を満喫した。
あいさつに立った川瀬会長は、集まったメンバーに「今日はたくさん食べ、思いっきり楽しんで」と呼びかけるとともに、朝早くからバーベキューを用意してくれた会員らに感謝した。
この日、長年にわたり同会に貢献した会員、ジャック・ノブエ・プチャルスキー夫妻に、川瀬会長から感謝状が贈呈された。夫妻は、1946年にノブエさんが在住していた横浜で出会い結婚。渡米後に8人の子どもに恵まれ、孫は19人にも上る。加州に移住後、羅府新報で神奈川県人会の存在を知り入会。以来、毎年新年会とピクニックを楽しみにしている。公園で開かれた表彰式には子どもや孫も集まり、盛大に祝福した。
ピクニックでは、長テーブルに所狭しと並んだ会員の手料理とバーベキューを堪能した後、参加者は4世代がともに楽しめるミニ運動会ですがすがしい汗を流した。
日本語を話さない3世らが中心となって運営する同会は、会員の大多数が英語のみを話すため、日本人会員の数が少ない。日本語を話す武市トム前会長から3世の川瀬会長にバトンタッチされた2009年以降、その問題はさらに深刻化。川瀬会長は、理事会メンバーに日本人会員を入れ日系人と日本人間のより良いコミュニケーションを促すとともに、各イベントで日本語テーブルを設置するなど、日本人会員獲得のため、さまざまな対策を練ってきた。結果、日本語を話す会員は「就任当初より増えた」という。
会長就任5年目を迎え、今年で同職を退く川瀬会長。最後のミッションとして先週、神奈川県庁の国際課を訪れ、県人会を取り巻く現状を伝えるとともに、さらなる協力関係を約束してきたという。また新たな試みとして、サンフランシスコやブラジルにある神奈川県人会との交流も希望していると話した。
次期会長には、子供のころから同会に参加している3世のボブ・ウエダさんが内定している。ウエダさんは、存続には若者の協力に加え、日系人と日本人の協調が不可欠と指摘。年齢を重ねるごとに自身のルーツや日本文化への興味が深まってきていることに触れ、「日本文化への敬意」を手がかりに、「この伝統と歴史ある県人会の存続を目指したい」と話した。
会長就任の正式発表は、来年2月に予定されている新年会の席で行われる。
【中村良子、写真も】
↧