さまざまなソーシャルサービスを提供するオレンジ郡日系協会(OCJAA)は日系社会の多方面から参加者約160人を集め2日、アナハイムのダブルツリー・ヒルトンホテルで2014年度役員就任式と功労者表彰式を開催した。2年目の藤田喜美子会長以下、役員が就任し、2個人と1団体を地域表彰した。
あいさつに立った藤田会長は、「何か新しいことに取り組みたい」と意欲を示した。日系社会に軸足を置いた、他人種のコミュニティーとのコラボレーションを提案し「異なる文化と習慣を持った人々に日本食と日本文化のすばらしさを紹介するイベントを企画したい」と希望した。海外に関心が低く内向的とされる最近の日本の若者に対し「地元の3世、4世、5世と、新1世、新2世が一体となってアメリカの魅力を発信してほしい」と呼びかけ、その模範例として昨年、アーバインのタナカファームで3世が中心となって開いた餅つき大会に参加した約450人が協力し合いイベントを成功させ「日本伝統の『和』や『絆』を強めることができた」と紹介した。「強固でよりよい日系社会を作るためには、将来の社会を担う若者が重責を果たさなければならない」と期待を寄せ、OCJAAの年長者と、この日集まった各団体のリーダーに向け、後進の指導と、OCJAAの各活動への協力を求めた。
来賓を代表し4氏が祝辞を贈り、功労表彰者の受賞に祝意を表すとともに、同協会のさらなる発展に期待を寄せた。新美潤在ロサンゼルス日本総領事は「OCJAAは、若者から年輩者までに、さまざまな分野で多大な社会貢献を果たしていて、心から敬意と謝意を表したい」と述べた。当銘貞夫・南加県人会協議会会長は、同協議会の多数の役員はOCJAAの役員でもあり、われわれは非常に深い関係にある」とし、良好な関係の維持を願った。青木義男・南加日系商工会議所会頭は、OCJAAとのコラボレーション継続に意欲的で「南加日商は、できる限りのサポートをしたい」と話した。袋井健太・JBAオレンジ郡地域部会筆頭副会長は「日系企業の成功は、地域との良好な関係を築くことが必要」と力説し、「重要なパートナーのOCJAAと積極的に交流を深めたい」と話した。
同郡の日系社会における発展に尽力した個人と団体に贈られる功労者表彰では、ルイス伊藤・元ロサンゼルス郡検事、小泉宗由・茶道裏千家淡交会OC協会幹事長、日本航空が受賞した。受賞者を代表し、日本航空・米州南西地区代表・メキシコ担当の高津良彦氏が謝辞を述べ、同協会の活動を称賛し日本航空の継続したサポートの意向を示した。また、協会に協力する井村屋USA、JPカリマン、カメリカの3社には、感謝状が贈られた。
新年度の役員がアーサー・ナカザト連邦地方裁判所裁判官の立会いの下、職務を全うすることを宣誓し正式に就任した。ナカザト氏は「OCJAAは、人助けのための社会的に意義のある活動をしている。ミッション遂行のために、素晴らしい活動を継続してほしい」とエールを送った。
藤田会長は、好評のシニア会員向けのiPadセミナーや敬老ヘルス・ケア・インクと共催の介護セミナー(6月開催)など、OCJAAの新たな試みに挑んでいる。若者に対しては日本語のスピーチコンテストなどを発案し、次世代の人材育成にも力を注ぐ。日本人と日系人の連携と並行し、日本人社会のさらなる団結を呼びかけ「日系社会がまとまり、物産展などを開いて日本の魅力を紹介すれば、よりすばらしい日系社会を作ることができる」と話した。【永田潤、写真も】
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